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2012年4月15日 (日)

稲垣千頴(穎)の人名表記について

私の著書『「蛍の光」と稲垣千頴』(ぎょうせい)では、「いながきちかい」の漢字表記として「稲垣千頴」を統一して用いています。

私はこれまで、自筆稿本と思われる歌集『稲垣千穎詠草』・編著の教科書・官員録・墓碑銘などで用いられる正字「穎」(のぎへん)を論文等で用いてきましたし、今後はこちらを用いるべきだと主張してきました。

しかし、今回の出版にあたり、俗字「頴」(しめすへん)に統一したのは、活字資料のほとんどが「頴」を用いており、原資料に忠実であろうとすれば、一冊の中で俗字・正字が混在することになること、また、引用資料を読解の便を考えて現代漢字表記・現代仮名づかいに統一したことから、人名表記も現行通用のものを統一して使うという苦渋の判断をしました。

もうひとつ考慮しなければならなかったのは、インターネットの時代であるために、コンピュータでの検索の便を考慮しなければならなかったことです。同一人物でも字体が異なるだけで、検索できなくなることはよく知られています。

「いながきちかい」は、国立国会図書館の書誌情報では正字と俗字で登録されており、結果的には同じ情報にたどりつけるようになっています。このように相互参照するシステムが構築されていればよいのですが、現行ではすべてのデータベースが必ずしもそうなっていないようでした。また、国立国会図書館の近代デジタルライブラリーでは、統一して俗字表記となっています。

書物のタイトルは、検索されたときに、原典や他の研究書と串刺しでヒットしないと意味をなしません。ですから、今回は通用の俗字表記に統一してみました。

私の今回の判断はあくまでも試みで、今後「いながきちかい」をタイトルとしている書物が出てきたときには、それぞれの著者が判断してゆく必要があるかと思われます。

ただ、極めて学術的な論文・著作の場合には、正字を優先して用いるべきではないかと思っています。

学術論文でも、伊澤修二を伊沢修二、平田鐵胤を平田銕胤と表記する時代です。

どこまで人名表記の正確さにこだわるか、ほんとうに難しいところです。

みなさまのご意見をお聞かせください。

なお、ウィキペディアは、正字で立項しており、俗字からはジャンプするシステムになっています。

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