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2008年3月20日 (木)

『唱歌と国語 明治近代化の装置』

先月のことになりますが、山東功さん(大阪府立大学専任講師)の『唱歌と国語 明治近代化の装置』(講談社メチエ406)が出版されました。

帯に「日本の近代化は歌と文法を必要としていた!」とあるように、唱歌と文法の成立を明治国家形成の装置として位置づけ、丹念な資料探索によって実証的に論じたすぐれた書物です。とりわけ、唱歌を日本語学の観点から分析したアプローチは斬新です。また、稲垣千頴については教科書編集者・文法学者としてとらえ、音楽取調掛における彼の格闘を活写しておられます。私の研究とも大いに重なるところがあり、現在再読しているところです。ひとつだけ残念なのは、稲垣千頴について非常に詳細に調査されながら、そのひととなりの全体像について、あるいはその生涯について憶測で書かれているところでしょうか。山東さんの研究の枠組みとその価値についていささかも疑問をはさむものではなく、また非常にすぐれた研究だと思いながら、その点だけは惜しまれてなりません。つまりは、それほどまでにこの分野の研究は、いまだ知識が共有化されていないのです。そこをなんとかしないといけないと思います。私も、山東さんのお仕事に励まされながら、私なりの研究をすすめていきたいと思っています。

この分野に興味があるかたは、是非山東さんの書物を手にとっていただきたいと念願してやみません。今後、この書物がひとつのスタンダードになることは間違いありません。

Photo

http://www.amazon.co.jp/%E5%94%B1%E6%AD%8C%E3%81%A8%E5%9B%BD%E8%AA%9E-%E6%98%8E%E6%B2%BB%E8%BF%91%E4%BB%A3%E5%8C%96%E3%81%AE%E8%A3%85%E7%BD%AE-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E9%81%B8%E6%9B%B8%E3%83%A1%E3%83%81%E3%82%A8-406-%E5%B1%B1%E6%9D%B1/dp/4062584069/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1206005013&sr=8-1

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